塗装の流れについて
近隣挨拶回り:工事数日前~前日
工事前に必ずやっておくべきは近隣の方々への配慮です。
お客様から「あそこの家には絶対に行かないで下さい。」といわれない限りは基本的に向こう3軒両隣の計8軒くらいの皆様に工事のご挨拶と工期のお知らせをしながら、粗品をお渡しします。
お客様と近隣の間で以前からトラブルがある場合は、事前に我々に教えていただくと、柔軟に対応できます。
足場設置:工事初日
戸建ての足場は工事現場でよく見かける組み立て式の足場を設置します。作業性、安全性を確保し、周辺住宅への影響がないように慎重に組み上げていきます。
大変多くの現場で利用されている足場ですが、欠点は、組立・解体の際にハンマーで足場を叩く音が必ずします。これはどうしても避けられないことですので、弊社では近隣挨拶時に足場組立・解体の際の騒音のご協力をお願いしております。
作業時間は組立で現場にもよりますが1日掛かるか掛からないか、解体でおおよそ半日の作業になります。
高圧洗浄:工事2日目
塗装の前のとても大切な作業が洗浄です。
屋根や壁の汚れやコケ・カビを落としてから塗装の工程に入らないと、剥離や膨れ、剥がれなど不具合を引き起こす原因となります。
我々プロが使う高圧洗浄機は家庭用の「ケルヒャー」とは威力が全く異なります。マイカーを洗う際に洗車場に行く方もいらっしゃると思いますが、あの高圧洗浄機の3倍程度の威力で、こびりついた汚れやコケを削るように洗っていきます。
作業時間は1日程度です。
下地処理
下地処理は、文字通り下地を処理するために行う工程で、下地調整や素地調整とも言われます。
鋼製の屋根であれば錆を削ったり、釘頭にシーリングを充填したり棟板金の繋を塞いだりすることもあります。
外壁の場合だと、窯業系サイディングであれば、割れをエポキシのパテで補修したり、繋目をシーリング打ち換えすること、モルタルだとクラック補修なども下地処理と呼びます。
このように下地処理は、塗装をする前に仕上がりや持ちが良くなるために行うとても大切な作業になります。
作業時間は現場の状況により異なりますが1日~3日ほどかかります。
開口部などの養生作業
開口部養生は一般的に「養生」と呼ばれます。
普段聞きなれない言葉かと思いますが、塗装工事においての養生とは、開口部の窓や扉、床など塗装しない部分をビニールで塞いで塗料が付着するのを防止する作業のことです。また、テラスなどの上に足場を組む際に破損しないように板を敷いたりすることも行います。
作業時間は現場の大きさにもよりますが通常1日から2日掛かります。
下塗り作業
さて、ここまでの事前作業が終わったところで、ようやく塗装を開始できます。
外壁塗装における下塗りは対象物により使い分けが必要です。例えば、鋼製の壁であれば下塗りは錆止めを使い、窯業系(セメントと木片などが主材)のサイディングであれば下地を止めて隠ぺい力が高い下塗り材を使い、モルタルの下地の場合は、割れやヒビに強くなる下地強化剤を塗布します。
基本的に、一般的な塗料は3回で仕上げるのが原則ですが、下地の吸い込みが多い場合や、1回の下塗りで下地が抑えられない際は、下塗りを2回塗ることもあります。ここで手を抜くと、上塗りの出来栄え、つまり発色や艶持ち・色持ちが悪くなります。
作業時間は1日程度です。
上塗り1回目の作業
下地がしっかりと乾燥して強化された段階でトップ材(上塗り)を塗布していきます。
一般住宅の通常の塗装では、吹付は行わず刷毛とローラーの手塗りにて工事を行います。刷毛は隅々などローラーが入らないところで使い、その後にローラーで塗ります。
乾燥時間(インターバル)をしっかりと守ることも重要なポイントです。
上塗り2回目の作業
上塗り1回目が十分に乾燥した段階で2回目の上塗りに入ります。
遠目から見ると、もうすでに仕上がっているように見えるときもありますが、近づいてじっくり見てみると、まだ仕上がっていないのが分かります。そのため、中塗り終了後にご自分の目で確かめていただくといいかもしれません。
1回目の上塗りと同じものを2回目塗るときって難しいのでは?とか塗り残しになるのでは?と疑問を抱くこともあるかと思いますが、塗料は乾く前と後では色の濃淡が違います。それを、我々は『のぼり』と言っています。
プロであれば、のぼりを見分けられるため、1回目と2回目に同じ塗料を塗っても塗り残しなく塗ることができます。
付帯部の塗装
付帯部とは、外壁塗装の際に外壁以外のことを付帯部と呼びます。雨どいや破風・鼻隠し・軒天・雨戸・面格子等です。
付帯部の塗装は、外壁塗装の作業間に行われます。
例えば、外壁の下塗りや上塗り1回目の終了後に乾燥を待つ間に行う場合などあります。
最終検査
塗装やその他の付帯工事が終わった時点で、弊社で自主検査を行います。塗残しが無いか、傷や施工が足りない場所が無いかなどチェックをします。
問題が無いようでしたら施主様にもチェックをしていただきます。足場がありますので慎重に上っていただき一緒にチェックを行います。
なにか気になる部分がありましたらお気軽にお知らせください。
足場解体
チェックが完了した時点で足場を解体します。
作業時間は半日程度になります。
完工(引き渡し)
養生の切れ端などが落ちていないか等を確認して軽微な清掃を行います。
その後、工事中の施工写真を見ながら施工のご説明をし、請求書をお渡しして工事完了となります。